田中淳雄少佐尋問録
(1) ペスト防疫の実施(P225)
満州には従来「ペスト」常在地あり 毎年数十乃至数百の患者の発生を見る 該ペストの軍隊への侵入防止の為地方機関と協力(「ゆう」注 「地方」とは「軍の外」つまり「民間」を意味する戦前の用語) ペスト防疫に従事せり その実施要領は
(イ) 捕鼠殺鼠の励行 各戸より強制的に鼠の供出並買上実施(一九四四年二千万頭供出)(「ゆう」注 明らかに過大。誤記か?)
(ロ) 防鼠工事の実施並指導 防鼠溝、清潔整頓
(ハ) 予防接種、「ペスト」常在地附近部隊に五月六月二回実施
「ペストインムノーゲン」(倉内) 生菌ワクチン(春日)
(ニ) 「ペスト」発生時は現地に出張し右三方法を強化すると共に交通遮断、検疫、検診、時には家屋の焼却、被服類の消毒等を実施す(P226)
(太田昌克『731免責の系譜』所収) |