バー・モウ(ビルマ)
そのなかで最も重大なことは、戦時中の日本人の民衆に対する行為であった。まず冷酷で短気な日本軍人が残虐な振舞いをしたこと、そして、もっと残酷なやり方でビルマとビルマ人及びその資源を日本の戦いのために利用したことについては、疑う余地がない。戦争そのもの、そしてそれが生み出す情勢は残酷であり、また人を残酷にするものではある。
しかしこれらの軍人はビルマ人の知っているすべての者よりはるかに残虐であった。これらの人々の残虐性、横柄さ、民族的自負はビルマ人の心に戦時中の記憶として深く残っている。東南アジアの非常に多くの人々にとっては、それらのみが戦争の記憶のすべてである。(P195)
(バー・モウ『ビルマの夜明け』P195)
*日本軍政下でビルマ首相を務める。大東亜会議にも出席。
※公正を期するために書き加えますが、バー・モウは同書の別の箇所で、日本を擁護する発言も行っています。「日本の事例は本当に悲劇である。歴史的に眺めてみると、日本ほど、アジアを白人の支配下から解放するのに尽くした国は、他にどこにもない。にも拘わらず、解放を援助しまたは、いろいろな事柄の手本を示したその人人から、これほどまでに誤解されている国もまたない。」(P201)
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