レスター・テニー『「バターン死の行進」 ― 事実かフィクションか』
あの忌まわしい「バターン死の行進」の行程を自ら巡った画期的な行脚に基づいて、ジャーナリストの笹幸恵氏が執筆した記事について意見を述べさせていただきたい。
アメリカでは、「バターン死の行進」の歴史についてこれまでに多くの著書が書かれているが、笹氏は日本側の観点は遺憾ながらこれまで不在だったと述べている。このような記述が冒頭に見られたため、「死の行進」がわれわれ生存者に及ぼした影響を検証するために氏が時間と労力を費やしたことを、私は喜ばしく思った。
だが、当該記事をつぶさに検討した結果、私は笹氏が「バターン死の行進」の行程を行脚したのは、実は「死の行進」は犠牲者たちが主張してきたほど過酷なものではなかったことと、生存者が語る体験は虚偽であり、信頼するに値しないことを証明することが目的だった、と結論せざるを得ない。これは、われわれ犠牲者にとって極めて侮辱的な結論である。(P488)
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