東中野氏の徹底検証 4 |
反日撹乱工作隊(3) |
以上、東中野氏が「反日撹乱工作隊」の証拠としてあげる記事は、いずれも根拠の薄いものであることを見てきました。 ところが、ここから東中野氏は、外国人が経験した「日本軍の乱暴狼藉」はすべて「反日撹乱工作隊」の仕業だった、と言わんばかりの、無茶な議論を始めてしまいます。
ちょっと考えても、「日本兵に扮した支那兵」説には、いくらでも疑問が湧いてきます。 「支那兵」はどこで「日本兵」の軍服を入手したのか。「日本兵」に偽装したことを、中国人の「被害者」や「目撃者」に見抜かれるリスクを考えなかったのか。 「宣伝」に使いたいのであれば確実な 「日本軍の乱暴狼藉」事例がいくらでもあるのに、なぜ「偽装」までしてその「事例」を増やす必要があったのか。他の都市では全く見られない「偽装」戦術が、なぜ南京だけで実行されたのか・・・。 しかもその「証明材料」は、事実上、先に見た2つの記事だけです。上の記述での「材料」は、マギーらの姿を見ると「直ぐ日本の兵隊達は逃げた」、という一点しかありません。 それも、よく読むと、東中野氏はマギーの証言をかなり歪めています。マギーは「私達が其処に行きますと、直ぐ日本の兵隊達は逃げた」 と証言しているのに、東中野氏は、これをいつのまにか、「これ見よがしに、欧米人の前で、実行された」と、かなりイメージが異なる表現に「翻訳」してしまっています。 さて、「極東軍事裁判」における、マギー証言をめぐるやりとりを見てみましょう。
「逃げた理由」について、ブルックス弁護人は、ごく常識的な判断を行っています。 弁護側ですら思いつきもしない「反日撹乱工作隊」説を、東中野氏は貧弱な根拠から「妄想」しているわけです。 (2002.12 記)
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