オイラ氏の「松井大将=南京無罪」論
オイラ氏の「松井大将=南京無罪」論


 私のサイトづくりのスタンスは、「事実は事実、そうでないものはそうでない、それだけの話。「歴史」に余計なイデオロギーは不要」というものです。

 その結果、「南京」については、一定規模の「虐殺」があったことは否定できない、と考えています。政府見解、学会での議論、あるいは教科書の記述などから見ても、これはごく常識的な見解であろう、と思います。


 しかしネットの「なかったことにしたい派」にとって、拙サイトは我慢のならないものであるようです。ネットを見て回っていると、たまに拙サイトへの批判めいた文章を見かけることがあります。

 ただしその中に、「まともな」ものはほとんどありません。内容のない悪口雑言は問題外として、明らかにサイトを読み飛ばしてのトンチンカンな批判、あるいはおかしな「思いこみ」からの見当違いの攻撃も珍しくありません。


 ここでは典型例として、「オイラ」というハンドルネームを持つ方の、拙サイト批判の間違いを取り上げてみましょう。


オイラ氏のmixiへの投稿より

2012年03月07日 03:41
オイラ mixiの皆にもお知らせ・・・(´・ω・`)∩

【新事実】:松井石根大将は、南京事件に関連した訴因で訴追されてはおらず、
      南京事件の責任により死刑判決を受けたのでは無かった!


極東軍事裁判における「南京事件に関連した訴因」は下記になります。
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http://stomach122.jugem.jp/?eid=283
【訴因44】1931/9/18〜1945/8/2の間における俘虜、一般人従務乗組員虐殺の計画共同謀議の立案・実行の責任者
【訴因45】1937/12/12以後の南京攻撃による中華民国の一般人及び非武装軍隊の殺害
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ところが、松井岩根大将が問われた訴因は下記なのです。
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【訴因1】1928〜1945に於ける戦争に対する共通の計画謀議
【訴因27】満州事変以後の対中華民国戦争遂行
【訴因29】米国に対する大東亜戦争遂行
【訴因31】英国に対する大東亜戦争遂行
【訴因32】オランダに対する大東亜戦争遂行
【訴因35】ソビエトに対する張鼓峰事件の遂行
【訴因36】ソビエト及び蒙古に対するノモハン事件の遂行
【訴因54】1941/12/7〜1945/9/2の間における違反行為の遂行命令・援護・許可による戦争法規違反
【訴因55】1941/12/7〜1945/9/2の間における俘虜及び一般人に対する条約遵守の責任無視による戦争法規違反
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そして、実際に松井岩根大将に問われた罪は【訴因55のみ】でした。
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http://yu77799.g1.xrea.com/toukyousaiban.html
『極東国際軍事裁判判決 第十章 判定』

本裁判所は、被告松井を訴因第五十五について有罪、訴因第一・第二十七・第二十九・第三十一・第三十二・第三十五・第三十六及び第五十四について無罪と判定する。
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【訴因55】は、『1941/12/7〜1945/9/2の間における』俘虜及び一般人に対する条約遵守の責任無視による戦争法規違反ですから、南京事件とは関係有りませんw

何と、松井岩根大将は、極東軍事裁判において『いわゆる南京大虐殺』に対する【罪を問われていなかった】のですw



さぁ、皆さん♪ここで、またまた愉快な自己解釈さん『ゆう氏』にご登場頂きましょう♪
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http://yu77799.g1.xrea.com/gunjin.html
南京攻略の総司令官として、「南京事件」の責を問われ、極東軍事裁判で死刑判決を受けた、松井石根大将の発言です
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愉快ですねぇ〜♪楽しいですねぇ〜♪この人はいつまで『ウソ』を載せ続けるのでしょうか?w

2chの皆さんご協力に感謝・・・(´・ω・`)∩

ーーー



 オイラ氏は、自分の「発見」に舞い上がってしまったようです。この文章をコピペして、何度も何度も、掲示板に貼りつけていました。


 しかしご覧の通り、「文体」を見るだけで、どうやらまともな人物でなさそうなことは一目瞭然でしょう。

 さぁ、皆さん♪ここで、またまた愉快な自己解釈さん『ゆう氏』にご登場頂きましょう♪

 愉快ですねぇ〜♪楽しいですねぇ〜♪この人はいつまで『ウソ』を載せ続けるのでしょうか?w


 「暴言」というレベルを遥かに通り越した、エキセントリックな悪罵です。さらに、♪やらwやらの記号を濫発する幼稚さ。



 そもそも、ここまで大げさに書く理由がさっぱりわかりません。

 例えば私が、原文を捻じ曲げて引用したり、あるいはわざと「曲解」をしてみせた、などという東中野修道氏並みの「アクロバット」をやらかした、ということであれば、この「攻撃」ぶりは理解できます。

 しかしここで指摘されている私の「間違い」なるものは、単なる松井大将の「プロフィール紹介」でしかありません。私の議論の核心部分でも何でもありませんから、例えこれが万一「間違い」であったとしても、訂正すればそれで済む話です

 こんなものが私にとって大打撃になる、と考えるオイラ氏のメンタリティ、私には理解不能です。




 さて、オイラ氏の議論は、こんな理論構成をとっているようです。

1.松井石根大将が有罪認定された訴因は、「【訴因55】1941/12/7〜1945/9/2の間における俘虜及び一般人に対する条約遵守の責任無視による戦争法規違反」であった。

2.従って松井大将は、1937年南京事件によって有罪になったわけではない。

3.すなわち、拙サイトにおける松井大将のプロフィール紹介文「南京攻略の総司令官として、「南京事件」の責を問われ、極東軍事裁判で死刑判決を受けた、松井石根大将の発言です」というのは、「愉快な自己解釈さん「ゆう氏」の「ウソである。



 しかしそもそも、このうち1の大前提が間違っている以上、この議論は成立しません。以下、確認します。



 さて、問題になっている、「訴因55」を見てみましょう。


極東国際軍事裁判『起訴状』より


起 訴 状   

 [中 略]

     第三類 通例の戦争犯罪及び人道に対する罪 

 [中 略] 

    訴 因  第五十五 

 被告土肥原・畑・星野・板垣・賀屋・木戸・木村・小磯・武藤・永野・岡・大島・佐藤・重光・嶋田・鈴木・東郷・東条及梅津は、千九百四十一年(昭和十六年)十二月七日より千九百四十五年(昭和二十年)九月二日に至る迄の期間に於て、夫々の官職により、亜米利加合衆国・全英聯邦・仏蘭西共和国・和蘭王国・比律賓国・中華民国こ匍萄牙共和在りし此等諸国の数万の俘虜及びー般人に関し、上記条約及ぴ保証並戦争の法規慣例の遵守を確保する責任有するところ、故意に又不注意に、其の遵守を確保し其の違背を防止する適当なる手段を執る可き法律上の義務を無視し、以て戦争法規に違反せり。

 中華民国の場合に於ては、該違反行為は千九百三十一年〈昭和六年〉九月十八日に始まり、上記指名の者の外、下記被告も之に責任を有す。

 荒木・橋本・平沼・広田・松井・松岡・南

(『南京大残虐事件資料集』第1巻 P13)



 そう、松井大将ら6名については、「千九百四十一年(昭和十六年)十二月七日より千九百四十五年(昭和二十年)九月二日に至る迄の期間」だけではなく、千九百三十一年〈昭和六年〉九月十八日(満州事変勃発)まで遡った期間も問題にされていたわけです。


 そして松井大将は、まさにこの「訴因第五十五」によって有罪、死刑判決を受けました。

極東国際軍事裁判『判決』より


第十章 判定 (昭和二十三年十一月十二日朗読)

     松 井 石 根


 (略)

 南京が落ちる前に、中国軍は撤退し、占領されたのは無抵抗の都市であった。それに続いて起ったのは、無力の市民に対して、日本の陸軍が犯した最も恐ろしい残虐行為の長期にわたる連続であった。日本軍人によって、大量の虐殺・個人に対する殺害・強姦・掠奪及び放火が行われた

 残虐行為が広く行われたことは、日本人証人によって否定されたが、いろいろな国籍の、また疑いのない、信憑性のある中立的証人の反対の証言は、圧倒的に有力である。

 この犯罪の修羅の騒ぎは、一九三七年十二月十三日に、この都市が占拠されたときに始まり、一九三八年二月の初めまでやまなかった。この六、七週間の期間において、何千という婦人が強姦され、十万以上の人々が殺害され、無数の財産が盗まれたり、焼かれたりした。

 これらの恐ろしい出来事が最高潮にあったときに、すなわち十二月十七日に、松井は同市に入城し、五日ないし七日の間滞在した。

 自分自身の観察と幕僚の報告とによって、かれはどのようなことが起っていたかを知っていたはずである。憲兵隊と領事館員から、自分の軍隊の非行がある程度あったと聞いたことをかれは認めている。南京における日本の外交代表者に対して、これらの残虐行為に関する日々の報告が提出され、かれらはこれを東京に報告した。

 本裁判所は、何が起っていたかを松井が知っていたという充分な証拠があると認める。これらの恐ろしい出来事を緩和するために、かれは何もしなかったか、何かしたにしても、効果のあることは何もしなかった。

 同市の占領の前に、かれは自分の軍隊に対して、行動を厳正にせよという命令を確かに出し、その後さらに同じ趣旨の命令を出した。現在わかっているように、またかれが知っていたはずであるように、これらの命令はなんの効果もなかった。

 かれのために、当時かれは病気であったということが申し立てられた。かれの病気は、かれの指揮下の作戦行動を指導できないというほどのものでもなく、またこれらの残虐行為が起っている間に、何日も同市を訪問できないというほどのものでもなかった。

 これらの出来事に対して責任を有する軍隊を、かれは指揮していた。これらの出来事をかれは知っていた。かれは自分の軍隊を統制し、南京の不幸な市民を保護する義務をもっていたとともに、その権限をももっていた。この義務の履行を怠ったことについて、かれは犯罪的責任があると認めなければならない

 本裁判所は、被告松井を訴因第五十五について有罪、訴因第一・第二十七・第二十九・第三十一・第三十二・第三十五・第三十六及び第五十四について無罪と判定する。


(『南京大残虐事件資料集』第1巻 P398-P399)


これを一体どう読めば、

何と、松井岩根大将は、極東軍事裁判において『いわゆる南京大虐殺』に対する【罪を問われていなかった】のですw

という話になるのでしょうか。


 松井大将は、明らかに「南京」における責任を問われて「有罪」宣告されています。そしてその「有罪」理由として、「訴因第五十五」挙げられています。

 もしこの「訴因第五十五」が「南京」以外のことである、とするならば、この文、「有罪」理由に関係のないことを延々と書き連ね、しかも肝心の「有罪」理由には何も触れない、トンデモ判決文、ということになります。

 そもそものところ、もし松井大将の「有罪」原因が「南京」でなかったのならば、一体松井は何をやって有罪になった、と言いたいのでしょうか。


 結局「オイラ」さんの拙サイト攻撃は、まさに「おかしな「思いこみ」からの見当違いの攻撃」であるに過ぎませんでした。





2013.8.31追記

 その後オイラ氏は、自前のホームページを開設したようです。

 私への批判文集も予定しているようですが(2013.8.31現在工事中)、その「前振り」にこんなことを書いています。

そんなオイラの間違いを"ゆう氏"によってHPに掲載されてしまいましたw (※ゆう氏のHP【オイラ氏の「松井大将=南京無罪」論】を参照して下さい。)

そういうやり方をするのであれば、オイラの方も遠慮なく公開せさて頂く事にしました。



 これではまるで、私の方が「いやがらせ」をしたみたいです(^^ゞ

 きっと彼の頭の中では、そういうことになっているのでしょう。一年半がかりで、彼は「復讐」を果たしたわけです。

 私のスタンスは、当時、しっかりと説明してあります。念のために、当時私がmixiに投稿した文を再掲しておきます。


しかしオイラさん、この期に及んで、まだ何が問題だったのか、わかっていないらしい。

事実を間違えた、なんてことは、どうでもいいんです。私だってしょっちゅう間違えては、ゴメン、勘違いしていた、とやっていますから(^^ゞ

それだけでしたら、別に「謝罪」などしていただく必要はなく、ああ、そうですね、の一言で終わっていただければ結構です。


問題は、このエキセントリックな悪罵・嘲笑ぶりです。

>さぁ、皆さん♪ここで、またまた愉快な自己解釈さん『ゆう氏』にご登場頂きましょう♪

>愉快ですねぇ〜♪楽しいですねぇ〜♪この人はいつまで『ウソ』を載せ続けるのでしょうか?w "



私は、議論というものは、相手の人格を尊重しつつ行なうべきものである、と考えています。

少なくともその方が、はるかに実りある議論ができる。

まあ、いきなりケンカを売ってくるような連中、あるいはあまりの低レベルの議論をする輩についてまで、相手の人格を尊重する議論を行う必要はないかもしれませんが(笑)


しかしオイラさんは、どうもそういう考えではないらしい。

某巨大掲示板のDNAを強く受け継いでいるせいか、とにかくどんな汚い言葉を使ってでも相手を言い負かし、沈黙させることが生きがいらしい。

そしてその報酬は、相手に対して思い切りの悪罵・嘲笑を浴びせかける権利、というわけです。


しかしこんなスタンスで議論していると、「間違えた」時にどんなにみっともないことになるか。

オイラさんは、見事にそれを「実証」してくれました。

そしてオイラさんは、相変わらず同じスタンスを続けているようです。このままではいつかまた、同じような「大失態」をやらかす羽目になるぞ、と私はオイラさんに「警告」しておきます。


まあ彼は、関係のない論点を持ち出して、必死に私に、おーい、でてこーい、とやっているようです。無理もない、彼にしてみれば、何とか「大失態」を相殺するチャンスが必要なのでしょうから。


一言付け加えれば、オイラさんが、今後は相手の人格を尊重して議論する、と確言するのであれば、私の方も考え直さないでもありません

オイラさん、そんなスタンスで議論した方が、絶対に自分のためになるし、また楽しいと思うよ(笑)

ネット上の「個人」を相手にするコンテンツ、というのは、私のサイトの性格上、あまり似つかわしいものでもありませんし。

(改めて読み直すと一部「書き過ぎ」の部分がありましたので、その部分は省略してあります)


 

(2012.3.12)


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